融通手形とは
融通手形とは、商取引の裏付けのない手形のことで、互いに資金繰りに困っている企業どうしが、手形の名宛人を相手の会社にして融通のために振りだしたり、信用を得るために第三者に振りだしてもらったりする。そして手形を受け取った企業が資金を作ります。融通手形は略して融手ともいいます。
融通手形は、一般的に資金難の企業同士が、資金捻出のために手形を融通しあって降り出すので、ともすれば互いにさらに資金難に陥り、連鎖倒産をなってしまう場合が多いです。
融通手形は、そもそも赤字の会社が、その赤字を補てんするために融通手形を割り引きして資金調達しようというものです。お互い助け合おうという気持ちでも、一度融通手形を振り出してしまうと、手形決済日までに返済してもらうことができずに、また融通手形を振り出す・・・という繰り返しで、赤字はどんどん膨らんでいく悪循環に陥ってしまうのです。そのため融通手形を振り出した企業は、倒産危険性の高い企業であるとして警戒されることが多いです。
とはいえ、どの手形が融通手形なのかという判別はなかなか難しいものです。融通手形は、金額が100万円や200万円など、切りのよい数字であることが多く、支払をする銀行が、通常の取引銀行と異なっていたりします。また、その企業の営業規模に対して手形の金額が大きい、手形のサイトが今までの所と違っているなどの特徴があります。手形を受け取った時点で、上記のような特徴がみられた場合は、企業側に説明を求めるようにしましょう。
また、取引先の企業が融通手形を振り出しているという情報が流れてきた場合も、きちんと事実確認を行い、保全回収作業を行うのがよいでしょう。情報が間違っていた場合でも、
しばらくは警戒して、注意深く見守るのが賢明です。
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